企業担当者向け 実践コラム

職場の腰痛対策は何から始める?企業担当者向けの進め方と最初のチェックリスト

結論から言うと、最初にやることは「体操」ではなく「どの作業で腰に負担がかかっているかを把握すること」です。厚生労働省の指針の考え方に沿って、担当者が順番に進められる手順を整理します。

職場で作業動作と腰への負担を確認している様子

この記事の要点

  • 最初の一歩:腰痛の訴え・休業・ヒヤリハットと、腰に負担のかかる作業を洗い出し、現状を把握する。
  • 優先順位:作業ごとに負担の大きさと頻度を見積もり、影響の大きい作業から手をつける。
  • 対策の順番:人の注意に頼る前に、まず作業のやり方と環境(重量・高さ・人数・動線)を見直す。
  • 続ける仕組み:教育と腰痛予防体操、相談しやすい体制、定期的な見直しで「やりっぱなし」を防ぐ。

この記事が役立つ方

  • 総務・人事・安全衛生の担当として、腰痛対策を任された方
  • 腰痛を理由とした休みや退職が気になっている経営者・管理者の方
  • 安全衛生委員会で「腰痛対策」を議題にしたいが、進め方が分からない方

なぜ「体操から」ではなく「現状把握から」なのか

腰痛は、重い物の持ち上げや前かがみなどの動作、作業台の高さや床の状態などの環境、筋力や柔軟性などの身体の状態、そして忙しさや相談しにくさといった職場の状況が重なって起こります。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」も、作業管理・作業環境管理・健康管理・労働衛生教育を組み合わせ、継続して取り組むことを求めています。

どの作業に負担が集中しているかが分からないまま体操だけを始めても、原因になっている作業はそのまま残ります。まず現状をつかむことが、限られた時間と予算で成果を出す近道です。

ステップ1:現状を把握する(まず1〜2週間)

担当者が最初に集めたい情報は次のとおりです。特別な道具は必要ありません。

  • 過去1〜3年の、腰痛による休業・通院・配置転換の有無
  • 従業員が腰の痛みや張りを訴えている作業(聞き取りや簡単なアンケートで把握)
  • 重い物を持つ、前かがみ・中腰が続く、ひねる、長時間同じ姿勢といった作業の一覧
  • ヒヤリハットの記録(つまずき・滑り・荷物の落下など)
  • 年齢構成(高年齢の従業員が担当している作業)

ステップ2:作業ごとにリスクを見積もり、優先順位をつける

指針では、作業ごとに腰痛の発生につながる要因を見つけ、リスクを見積もって優先順位を決めるリスクアセスメントの考え方が示されています。難しく考えず、洗い出した作業ごとに「負担の大きさ」と「頻度・人数」を3段階で付けるだけでも、どこから手をつけるべきかが見えてきます。

作業ごとの見積もりの例(記入例。実際の評価結果ではありません)
作業負担の大きさ頻度・人数優先度
入荷した段ボールを床から台へ積む大毎日・4人高
低い作業台での組み立て(前かがみ)中毎日・6人高
月1回の棚卸し中月1回・2人低

ステップ3:人の注意より先に、作業と環境を変える

「気をつけて持ちましょう」という声かけは大切ですが、それだけでは負担そのものは減りません。指針では、まず作業のやり方と環境を見直すことが示されています。代表的な見直しのポイントは次のとおりです。

  • 重さを減らす・機械に任せる:台車、昇降機、リフトなどで人が直接持ち上げる場面を減らす。指針では、満18歳以上の男性が人力だけで扱う重量は体重のおおむね40%以下、女性はその60%程度までを目安とし、超える場合は2人以上で行うよう努めることとしています。
  • 高さを合わせる:作業台や置き場所の高さを見直し、前かがみや中腰の時間を短くする。
  • 姿勢と動線:ひねりが生じる配置や、荷物を体から離して持つ配置を変える。
  • 休憩と作業の組み合わせ:同じ姿勢が続かないよう小休止を入れ、作業をローテーションする。
  • 作業標準をつくる:「正しい姿勢で」のような曖昧な表現ではなく、持ち方・手順・人数を具体的に決める。

ステップ4:教育・体操・健康管理で「人」の側を支える

作業と環境を整えたうえで、従業員一人ひとりの身体の使い方と体力を支えます。

  • 教育:腰痛が起こる仕組み、作業ごとの負担の減らし方、補助具の使い方を、実技を交えて伝える。
  • 腰痛予防体操:指針の解説では、ストレッチは反動をつけずに20〜30秒ほど伸ばし、1〜3回程度行う方法が示されています。始業前や休憩時間に組み込むと続けやすくなります。
  • 健康管理:重量物の取扱いや介護作業など、腰に著しい負担のかかる作業に常時従事する人については、指針で配置時とその後6か月以内ごとの腰痛の健康診断が示されています。対象になる作業があるかを確認しましょう。

ステップ5:続ける体制をつくる

腰痛対策は一度で終わりではありません。担当者を決め、痛みや不調を相談しやすい雰囲気をつくり、安全衛生委員会などで半年から1年ごとに作業の見直しと結果の確認を行うと、取組が定着しやすくなります。

担当者向け:最初の確認チェックリスト

  • 腰痛による休業・通院の記録を確認した
  • 腰に負担がかかる作業を一覧にした
  • 作業ごとに負担の大きさと頻度を見積もった
  • 人力で扱っている重量を確認し、補助具や2人作業を検討した
  • 作業台・置き場所の高さを確認した
  • 作業標準(持ち方・手順・人数)を具体的に決めた
  • 腰痛予防の教育と体操の時間を決めた
  • 健康診断の対象になる作業があるか確認した
  • 痛みを相談できる窓口・担当者を決めた
  • 見直しの時期(半年〜1年ごと)を決めた

外部の専門家に依頼すると、何をしてもらえるか

社内だけで進めにくいのは、作業ごとの負担の見極めと、従業員の身体の状態の把握です。プライズネス健康経営サポートでは、理学療法士が職場を訪問して作業動作と環境を確認し、負担の大きい作業と優先順位を整理します。あわせて、筋力・柔軟性・バランスなどの身体機能チェックや、現場に合わせた研修・体操の指導も行います。内容はサービス内容、費用の目安は料金プランでご確認いただけます。

まずは自社の状態を知ることから

「どの作業から手をつければよいか分からない」という段階からご相談いただけます。まずは職場の腰痛リスクを3分でセルフチェックし、その結果をもとに無料相談をご利用ください。

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よくある質問

職場の腰痛対策は何から始めればよいですか?

まず、腰痛による休業や訴えの状況と、腰に負担がかかる作業を洗い出して現状を把握することから始めます。そのうえで作業ごとに負担の大きさと頻度を見積もり、影響の大きい作業から作業方法と環境を見直します。

人力で持ってよい重さの目安はありますか?

厚生労働省の腰痛予防対策指針では、満18歳以上の男性が人力のみで取り扱う重量は体重のおおむね40%以下、女性はその60%程度までを目安とし、超える場合は2人以上で行うよう努めることとしています。

腰痛予防体操だけでは不十分ですか?

体操は大切ですが、負担の原因になっている作業や環境がそのままでは効果が限られます。指針では、作業管理・作業環境管理・健康管理・労働衛生教育を組み合わせて継続的に取り組むことが示されています。

腰痛の健康診断が必要な従業員はいますか?

指針では、重量物の取扱いや介護作業など、腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者について、配置時とその後6か月以内ごとに1回の腰痛の健康診断が示されています。該当する作業があるか確認してください。

プライズネスに依頼すると何をしてもらえますか?

理学療法士が職場を訪問し、作業動作と環境を確認して負担の大きい作業と優先順位を整理します。身体機能チェックや、現場に合わせた研修・体操の指導も行います。医療行為ではなく予防のための支援です。

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この記事は、公的機関などの公開資料をもとにAIを活用して作成しています。制度や数値は変わることがあるため、ご判断の際は出典の最新情報をご確認ください。医療上の判断が必要な症状については医療機関にご相談ください。

出典・参考:
厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」(解説・作業態様別の対策を含む)